
【秋の季語=三秋(8-10月)】つづれさせ
「蟋蟀」のこと。10世紀の古今和歌集に〈秋風にほころびぬらし藤袴つづりさせてふきりぎりす鳴く〉(在原棟梁)がある(当時のコオロギは「きりぎりす」と呼ばれていた)が、「秋風にフジバカマが綻んだらしい、コオロギが 「綴らせよ」と言うように鳴いている」という意。「ツヅレサセコオロギ」(綴刺蟋蟀)は、鳴き声を「肩刺せ、綴れ刺せ」と聞きなし、冬に向かって衣類の手入れをせよとの意にとったことに由来する。つまり「袴」という言葉に遊んだ歌である。それをおせっかいと見たのが、〈つづれさせ入らざるせわをやくざ虫〉は、「文政句帖」(1825)の「八月」に見える句。
【つづれさせ(上五)】
つづれさせ身を折りて妻梳けづる 長谷川双魚
つづれさせ泣虫母をまた泣かす 福永耕二
つづれさせ終りを変ふる物語 石井薔子
【つづれさせ(中七)】
【つづれさせ(下五)】
この子わが子息絶たず鳴くつづれさせ 千代田葛彦
縞帳は丹波の木綿つづれさせ 文挟夫佐恵
洗面器叩くや明けをつづれさせ 佐々木六戈
【その他の季語と】