【夏の季語=三夏(5-7月)】蛾
昼行性が「蝶」で夜行性が「蛾」。
翅を縦にたたむのが「蝶」でそうでないのが「蛾」。
触角が細いのが「蝶」で太いのが「蛾」。
春の季語であるのが「蝶」で、夏の季語なのが「蛾」。
日本にはチョウ目の昆虫が6000種程度知られているが、「蝶」と呼ばれるものは250種類にすぎず、他はすべて「蛾」である。
「夏の夜」、燈火に突進してくる「蛾」を「火取虫(灯取虫)」と呼ぶ。「蛾」の幼虫は、「毛虫」。
「内雀」は、鳥ではなくスズメガ科の蛾の一種である。
【蛾(上五)】
蛾の思う蛾は蛾ではない鱗粉散り 福田若之
【蛾(中七)】
ころころと畳に死蛾を掃く少女 飯田龍太
【蛾(下五)】
能面を飼ふ天井の紅天蛾 吉村毱子
自転車の灯を取りにきし蛾のみどり 黒田杏子
【その他の季語と】
五月雨や掃けば飛びたつ畳の蛾 村上鞆彦
茸山の蛾のほろほろと月の前 宇佐美魚目