【春の季語=仲春ー晩春(3ー4月)】春日影
春の日差し、光のこと。
この場合の「影」は暗い部分ではなく、明るい部分のことである。「春日」。
とはいえ、冬とはちがって、気温もあがってくるころ、日陰に入ってもあたたかさが感じられる。
うち晴て障子も白し春日影 上島鬼貫
のように、用例は古い。
【春日影(上五)】
春日影どの墓もみな倖に 高橋淡路女
【春日影(中七)】
屋根石や春日影曳き静かなる 原田濱人
【春日影(下五)】
人中の心やすさよ春日影 中村汀女
自転車がひいてよぎりし春日影 波多野爽波
灰の中に生きとる虫や春日影 中塚一碧樓