季語・歳時記

【春の季語】春一番

【春の季語=初春(2月)】春一番

立春」のあとにはじめて吹く、南寄りの強風のこと。

平均風速が7〜8m/sであることがひとつの目安。

ただし年によっては、吹かないまま終わることもある。


【春一番(上五)】
春一番藁まみれなる濡れ仔牛 福田甲子雄
春一番競馬新聞空を行く 水原春郎
春一番あなたにおすすめのワード 久留島 元

【春一番(中七)】
再会を果す春一番のあと 後藤比奈夫
飲むか戻るか春一番に艶めく灯 楠本憲吉
美酒を得て春一番を忘じけり 岸本尚毅
我に吹く春一番や誕生日 相子智恵

【春一番(下五)】
熊のいない山のあなたの春一番 金子兜太
竹は竹どうし寄りあひ春一番 鷹羽狩行
若者に古着が流行る春一番 有馬朗人
風呂敷で運ぶ地球儀春一番 池田澄子
葬儀屋を花であしらう春一番 仁平勝
紙幣より硬貨は健気春一番 加藤静夫

【自由律】
春一番が吹くこども家の内に吹かれたり 中塚一碧楼


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【冬の季語】冬に入る
  2. 【秋の季語】八月
  3. 【毛の俳句】
  4. 【夏の季語】向日葵
  5. 【冬の季語】節分
  6. 【春の季語】鴨帰る
  7. 【冬の季語】クリスマスツリー
  8. 【冬の季語】大寒

おすすめ記事

  1. 葉桜の頃の電車は突つ走る 波多野爽波【季語=葉桜(夏)】
  2. 枯芦の沈む沈むと喚びをり 柿本多映【季語=枯芦(冬)】
  3. 薄氷の吹かれて端の重なれる 深見けん二【季語=薄氷(冬)】
  4. 【連載】もしあの俳人が歌人だったら Session#13
  5. 遊女屋のあな高座敷星まつり 中村汀女【季語=星まつり(秋)】
  6. 復興の遅れの更地春疾風  菊田島椿【季語=春疾風(春)】
  7. 【秋の季語】立秋
  8. 舌荒れてをり猟銃に油差す 小澤實【季語=猟銃(冬)】
  9. やつと大きい茶籠といつしよに眠らされ 飯島晴子【無季】
  10. 「野崎海芋のたべる歳時記」カスレ

Pickup記事

  1. 【書評】日下野由季 第2句集『馥郁』(ふらんす堂、2018年)
  2. 【冬の季語】冬林檎
  3. 桐咲ける景色にいつも沼を感ず 加倉井秋を【季語=桐の花(夏)】
  4. 神保町に銀漢亭があったころ【第87回】笹木くろえ
  5. 【クラファン目標達成記念!】神保町に銀漢亭があったころリターンズ【3】/武田花果(「銀漢」「春耕」同人)
  6. つはの葉につもりし雪の裂けてあり     加賀谷凡秋【季語=雪(冬)】
  7. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第59回】 宇都宮と平畑静塔
  8. 秋鰺の青流すほど水をかけ 長谷川秋子【季語=秋鰺 (秋)】
  9. 休みの日晝まで霜を見てゐたり 永田耕衣【季語=霜(冬)】
  10. 氷に上る魚木に登る童かな 鷹羽狩行【季語=紅梅(春)】
PAGE TOP