
【新年の季語(1月)】御降り
兄や姉などから服を譲り受けること、ではなく、「元日」から「三日」の間に降る雨のことである。
「正月」というだけで、ただの雨でさえも、なにやら特別の恵みのように思える。
「御降」と「り」を送らないことも。
【御降り(上五)】
御降りの雪にならぬも面白き 正岡子規
お降や袴ぬぎたる静心 村上鬼城
お降りといへる言葉も美しく 高野素十
お降りやほのぼの濃ゆき寝白粉 石橋秀野
御降やなでて畳みし銀の帯 江崎紀和子
御降や日輪仄と見えながら 今井肖子
御降りのあとの雫の螺旋階 津川絵理子
御降をいびつに流すすべり台 渡戸舫
御降のまにまにつむじ巻きなほす 大塚 凱
御降や坂の終はりに来て寂し 鈴木総史
【御降り(中七)】
隠れ住んで此御降や世に遠し 夏目漱石
【御降り(下五)】
霰だか雨だか雪だか御降が 松本てふこ