【秋の季語】秋思

【秋の季語=晩秋(10月)】秋思

【解説】

秋思は、ふっと募るもの。


【秋思(上五)】

この秋思五合庵よりつききたる 上田五千石
秋思また飢ゑをともなふ厄介な 大石悦子
秋思かがやくストローを嚙みながら 小川楓子

【秋思(中七)】

思惟像を見てより秋思形なす 杉阪大和
塩を置くこんな秋思の入口に 櫂未知子

【秋思(下五)】
水湛ふ町に灯の入る秋思かな 鷲谷七菜子
永劫の涯に火燃ゆる秋思かな 野見山朱鳥
一笑に付されてしまふこの秋思 三田きえ子
山々の藍重ねたる秋思かな 廣瀬直人
シュレッダー刻む千万語の秋思 麻里伊
貝殻の内側光る秋思かな 山西雅子
日本語を話せて読める秋思かな 寺澤一雄
野晒しの電池のごとき秋思かな 魚住陽子
裏側にファスナーのある秋思かな 藤井なお子
制服の折目正しくして秋思 越智友亮
試着室の鏡の中の秋思かな 野名紅里


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