
【冬の季語=初冬〜晩冬(11〜1月)】酢茎
京都は上賀茂の名産品である「酢茎菜」の葉と茎を使った漬物。「千枚漬け」、「しば漬け」と並び、京都三代漬物に名を連ねる。
「酢茎」はその名のとおり、京の伝統野菜のかぶらの一種で、独特の酸味を持っている。漬物にすると、乳酸が醗酵させたまろやかな酸味が特徴である。

【酢茎(上五)】
酢茎剥き婆の一日またも減る 辻田克巳
酢茎天秤賀茂の冬日を宙吊りに 大石悦子
【酢茎(中七)】
どつと塩くはす酢茎のころし桶 阿波野青畝
【酢茎(下五)】
日あたりへ出たがる膝やすぐき剥く 草間時彦
いくたびも山遠く見て酢茎売り 飯田龍太
胸深く財布しまひぬ酢茎売 森田峠
醸されし店に惹かれて買ふ酢茎 荒川裕紀
【その他の季語と】
雪晴の朝餉の酢茎噛みにけり 日野草城