野崎海芋の「たべる歳時記」 七草粥


七草粥

Congee aux sept herbes


きょうは七日。人日ですね。中国の古い歳時記で、元日=鶏日、二日=狗日、三日=猪日、四日=羊日、五日=牛日、六日=馬日で、七日を人日とされているのだそうです。

わが家はクリスマスごろからずっと食べすぎが続くので、三日あたりからちょくちょくお粥を作って食べます。お雑煮の残りの鶏肉で中華粥にしたり、長芋や大根などの残りを入れたり。

ただ、このような食事のお粥と、七草粥のような行事のお粥とは、区別されるべきものなのだということを、以前和食の料理教室を開いている友人から教えられました。

七草粥や小豆粥には、小さく切ったお餅が入ります。これは「粥柱」と呼ばれ、行事食としての力を宿す大切なものなのだそうです。

諏訪の御柱祭などに見られるように、「柱を立てる」というのは古代日本の呪術的な信仰と直結する行為。お粥の餅=「柱」というところにも、いかにも古の宗教的な響きが感じられます。

一年の邪気を払い病を防ぐ七草粥。

スーパーのパック入り七草で、ことしも作って食べました。ちゃんとお餅も入れましたよ。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

手毬唄かなしきことをうつくしく  高浜虚子

季語【手毬唄】【人日】【七日】【七草粥】【粥柱】

*本記事は野崎海芋さんのInstagram( @kaiunozaki )より、ご本人の許可を得て、転載させていただいております。本家インスタもぜひご覧ください。


【執筆者プロフィール】
野崎 海芋(のざき・かいう)
フランス家庭料理教室を主宰。 「澤」俳句会同人、小澤實に師事。平成20年澤新人賞受賞。平成29年第一句集『浮上』上梓。俳人協会会員。



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