ハイクノミカタ

シャワー浴ぶくちびる汚れたる昼は 櫂未知子【季語=シャワー(夏)】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: eye-2horikiri--1024x538.png

シャワー浴ぶくちびる汚れたる昼は

櫂未知子


こういうタイプの句を詠むには、生身の自分を少し曝け出す「開き直り」と、それを句に仕立てて「フィクション化」するという二重の手続きが必要だ。もちろん、句としては遊びで(想像で)作った句かもしれないが、世に出て知られるところになると、作者イメージにそれが加わることになる。と書いてきたのは、私がこの「くちびるが汚れる昼」という言葉から、不本意な情事を想像しているからなのだが、実のところは、昼飯にトマトソースのパスタを食べただけかもしれない。しかし、その「どっちつかず」な「思わせぶり」に伴うミステリーが、やはり作者像に加わることは、否定できない。『カムイ』(2017)所収。(堀切克洋)



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 橡の実のつぶて颪や豊前坊 杉田久女【季語=橡の実(秋)】
  2. ときじくのいかづち鳴つて冷やかに 岸本尚毅【季語=冷やか(秋)】…
  3. 数へ日を二人で数へ始めけり 矢野玲奈【季語=数へ日(冬)】
  4. 沈丁や夜でなければ逢へぬひと 五所平之助【季語=沈丁(春)】
  5. 月光にいのち死にゆくひとと寝る 橋本多佳子【季語=月光(秋)】
  6. ビール買ふ紙幣をにぎりて人かぞへ 京極杞陽【季語=ビール(夏)】…
  7. 江の島の賑やかな日の仔猫かな 遠藤由樹子【季語=仔猫(春)】
  8. 軋みつつ花束となるチューリップ 津川絵理子【季語=チューリップ(…

あなたへのおすすめ記事

連載記事一覧

PAGE TOP