【夏の季語=晩夏(7月)】土用
陰陽五行説においては、宇宙は2つの陰陽と5つの元素(水、金、土、火、木)から構成されると考えられる。
春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」が支配するとされ、残った「土」を各季節の終わりの18日間に当てはめたことから、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を土用という。
春夏秋冬それぞれに土用はあるが、普通、土用といえば夏の土用を指す。今でも土用の丑の日には「土用鰻」を食べるなど、生活に深く結びついている。夏土用の18日間は「暑中」と呼び、「暑中見舞い」を出す時期でもある。土用に入る最初の日を「土用入り」、最後の日を「土用明け」という。
夏土用に入って3日目が晴れれば豊作、雨が降れば凶作といわれていた。なお、この豊凶占いのことを「土用三郎」という。
小林一茶には、〈うつくしや障子の穴の天の川〉という有名句があるが、
うつくしや雲一つなき土用空 一茶
という句も残している。
【土用(上五)】
土用餅朝から深い風が吹く 飯島晴子
【土用(中七)】
【土用(下五)】
葉も蟹も渦のうちなる土用かな 依光陽子