【冬の季語=三冬(11月-1月)】冬泉
「冬の泉」のこと。ふゆいずみ(歴史的仮名遣いでは「ふゆいづみ」)。
漢語的に「とうせん」と読ませることもある。
「泉」はその清涼感から「滝」などと同様に夏の季語とされるが、冬の日差しを受けた泉は、万物を眠らせていくような、独特の静けさがある。
【冬泉(上五)】
冬泉に一花となりてわれの舞ふ 桂信子
冬泉より流寓のこゑすなり 飯田龍太
【冬泉(中七)】
潺潺と冬泉あり土葬村 小澤實
【冬泉(下五)】
漲りて一塵を待つ冬泉 飯島晴子
鳥深く嘴を沈めぬ冬泉 深見けん二
先生のこゑよくとほる冬泉 藤本美和子
水中に水鮮しき冬泉 正木ゆう子
いつかここに来ること知りし冬泉 恩田侑布子