【春の季語=仲春-晩春(3ー4月)】ミモザ
ヨーロッパでは「復活祭」のころ、明るい黄色が鮮やかに春を告げる花。小さなポンポンが集まったように咲く姿が可愛らしく、ドライフラワーや結婚式のブーケとしても使われる。3月8日の「ミモザの日」(国際女性デー)で女性に贈られる、シンボリックな花でもあるが、木が多くある地域に住んでる人のなかには、花粉症に悩まされる人も。
季語としては「ミモザの花」「花ミモザ」「ミモザ咲く」として用いられてきたが、「ミモザ」だけでも季語として使う例も増えつつある。
ミモーザを活けて一日留守にしたベッドの白く 河東碧梧桐
【ミモザ(上五)】
ミモザ咲き海かけて靄黄なりけり 水原秋櫻子
ミモザ咲きとりたる歳のかぶさり来 飯島晴子
【ミモザ(中七)】
水割りの水にミモザの花雫 草間時彦
逢ふたびのミモザの花の遠げむり 後藤比奈夫
ぱつと明るきはミモザの花のせゐ 後藤比奈夫
ゆらゆらの花のミモザとくらくらす 池田澄子
あいまいな地中海へとミモザの火の手 夏石番矢
葬りを終へてミモザの只中に 仙田洋子
毒舌もミモザの花も天上へ 山本典子
【ミモザ(下五)】
すすり泣くやうな雨降り花ミモザ 後藤比奈夫
本名で過ごす旬日花ミモザ 片山由美子
四隅より辞書は滅びぬ花ミモザ 太田うさぎ
閏日は少し特別ミモザ買ふ 中村ひろ子
快楽とはかくも眠たし花ミモザ 渡辺竜樹