【夏の季語】晩夏

【夏の季語=晩夏(7-8月)】晩夏

夏の終わり頃(=「夏の果」)。 一般的には、8月中旬から9月上旬頃を指すが、 俳句では二十四節気に準じて、旧暦6月(現在の7月から8月上旬ごろ)までを指す。「晩夏光」という言葉を季語として用いることもある。


【晩夏(上五)】
晩夏の月のぼる医院の裏階段 穴井太
風晩夏ふる里すでに異郷めく  山田弘子
晩夏なり陸を離れて沈む石 柿本多映

【晩夏(中七)】
どれも口美し晩夏のジャズ一団 金子兜太
忘れいし晩夏は納屋のかたちせり 津沢マサ子
三人の棲む家晩夏の灯を三つ 酒井弘司
電灯が消えて晩夏の父母うごく 仁平勝
口笛を吹いて晩夏の雲を呼ぶ 乾佐伎

【晩夏(下五)】
海よりも川なつかしき晩夏かな 飯田龍太
闇よりも山大いなる晩夏かな 飯田龍太
あの鶏の卵巣は駅晩夏です 西川徹郎
鷹の羽根栞に拾ふ岬晩夏 鈴木鷹夫
海の弔みんなにやさしかつた晩夏 宇多喜代子
カーヴひとつ終はれば見えてくる晩夏 櫂未知子
シャンパンの函は柩に似て晩夏 堀切克洋



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