【春の季語(初春=2月)】蕗の薹
「蕗」の花の蕾。春におなじみの山菜のひとつ。天ぷらなどにすると美味。「蕗味噌」にするのもよし。
歴史的仮名遣いは「ふきのたう」。
【蕗の薹(上五)】
蕗の薹見つけし今日はこれでよし 細見綾子
蕗の薹空が面白うてならぬ 仲寒蟬
蕗の薹群れて閉鎖のゴルフ場 篠崎央子
ふきのたう地震列島すこし割る 堀切克洋
【蕗の薹(中七)】
猪を炙り蕗の薹まぶしかな 長谷川櫂
【蕗の薹(下五)】
皆水に浮きぬ手桶の蕗の薹 星野立子
ふるさとの味噌焼にのせ蕗の薹 武原はん女
爪先でここでありんす蕗の薹 雪我狂流
電文のみじかくつよし蕗のたう 田中裕明
今日はもう日差かへらず蕗の薹 藤井あかり