昼顔のあれは途方に暮るる色
飯島晴子
同じ句集(『儚々』)には、〈昼顔は誰も来ないでほしくて咲く〉があり、並べてみると、ひとつづきのドラマのようにも感じられる。炎天下で地や柵を這うように咲く昼顔は、たしかに「誰も来ないでほしい」感じもするのだが、その裏面では、どこか「途方に暮れている」ような感じもする。どちらの句も、人を遠ざけているインドア派の飯島晴子らしい句で、(古来から文芸に詠まれてきた)朝顔や夕顔にはない、昼顔の魅力を十分に描き出している。(堀切克洋)
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