
【夏の季語=三夏(5-7月)】白夜
「びゃくや」または「はくや」。真夜中になっても薄明になっているか、または太陽が沈んでも暗くならない現象のこと。白夜が起きる時期は北極圏では6月下旬の「夏至」前後、南極圏では12月下旬の「冬至」前後となる。また、白夜が起きる期間の長さは緯度により異なり、高緯度になるにつれてその期間は長くなる。
「白夜」の読みは本来「はくや」であったが、昭和40年代に『知床旅情』(森繁久彌作詞・作曲)が流行したことによって「びゃくや」という読み方が世間一般に広まり、定着したと推測されている。

【白夜(上五)】
白夜の忠犬百骸挙げて石に近み 中村草田男
街白夜王宮は死のごとく白 橋本鶏二
白夜かな夜の領分を飲み明かす 松王かをり
【白夜(中七)】
径白く白夜の森に我をさそふ 成瀬正俊
トナカイのソテー白夜の地下酒場 松本澄江
捨猫の群るる白夜の石畳 岩崎照子
淡からず白夜の国のシャンデリア 鷹羽狩行
まなうらに白夜の記憶頰打たれ なつはづき
【白夜(下五)】
菩提樹の並木あかるき白夜かな 久保田万太郎
塔時計四面おなじき白夜かな 阿波野青畝
尖塔に月一つある白夜かな 倉田紘文
水の無い水槽が好き 白夜 高遠朱音
海自身球体思ふ白夜かな 小川軽舟
ピアノ弾くからだの中の白夜かな 浦川聡子
【その他の季語と】
夏至白夜濤たちしらむ漁港かな 飯田蛇笏