【秋の季語】露

【秋の季語=晩秋(10月)】露

草の葉などに結んだ水の玉のこと。一年中発生するが、秋に最も多いので単に露といえば秋の季語となる。伝統的には「はかないもの」の象徴とされてきたが、とくに「露の命」「露の世」「露の身」など、命の儚さにたとえられることもある自然物。小林一茶の〈露の世は露の世ながらさりながら〉は、五十六歳で生まれた長女が、翌年の六月に病気で亡くなって悲しみのなかで詠まれた句として人口に膾炙している。〈逝く吾子に万葉の露みなはしれ〉は、敗戦後まもなく長男が六歳で急逝したときの能村登四郎の一句。「露けし」と形容詞で使われることもある。一方でその生命感を描いた句としては、川端茅舎の〈金剛の露ひとつぶや石の上〉がよく知られる。

露草」は夏の時期から見られるが、秋の季語。


【露(上五)】
白露や死んでゆく日も帯締めて 三橋鷹女
露に起てば胸の重さよ生くる限り 石田波郷
草の露かがやくものは若さなり 津田清子
露の夜や星を結べば鳥けもの 鷹羽狩行
露の身の手足に同じ指の数 内山生
露の玉こぼるるまでを歪みをり 堀切克洋

【露(中七)】
夜店はや露の西国立志偏 川端茅舎
ネオン赤き露の扉にふれにけり 木下夕爾

【露(下五)】
終バスの灯を見てひかる谷の露 福田甲子雄

【その他の季語と】
霜降や立方体の鯨肉 辻桃子


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