日本の元気なころの水着かな
安里琉太
作者は1994年生まれ。ハイレグの水着なんて、遠い昔のことで、むしろなぜこんなものが流行していたのか、皆目見当がつかぬ、という世代だろう。そういう、ジュリ扇はもちろん、熱湯コマーシャルも、ワンギャルでさえ知らない世代だからこそ、「日本の元気なころの水着」が、化石のような遠さをもって迎えられるのがリアルにひびく。ちなみにこの距離感、90年代以降に生まれた世代はいうまでもなく、私のような80年代生まれの人間にとってみても、理解できる。さらに5年さかのぼると……たぶん、むずかしいのかもしれない。『式日』(2020)所収。(堀切克洋)
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