<はじめに> → 「句集ホロスコープ」【#1】
【今月の1冊/今月の1句】


たまごいろしたる飛蝗の口辺り
『しみづあたたかをふくむ』森賀まり
2023年3月3日 東京・正午
太陽/魚座、月/蟹座、水星/魚座、金星/牡羊座、火星/双子座、木星/牡羊座、土星/水瓶座、天王星/牡牛座、海王星/魚座、冥王星/山羊座
星占いでは星と星との間に作られる特定のアスペクト(角度)を読み解きますが、中にはどの星とも角度を持たないという状態があります。この状態の星のことをノーアスペクトと言います。ノーアスペクトの星は他の星との関係を持たないため、その星の純粋なエネルギーが保たれます。
『しみづあたたかをふくむ』のホロスコープでは、天王星がノーアスペクトです。天王星は進歩や独創性、革新、テクノロジーなどを扱いますので、既存の枠組みを打ち破る独自の発想や一般常識にとらわれない自由な精神を感じさせます。
この句集には「母」を詠んだ句がいくつかあるのですが、母という言葉の持つステレオタイプなイメージからは少し離れていて、個人としての母が立ち上がるのです。そういうところに天王星のノーアスペクトらしさが見えてきます。
また月と海王星のトライン(120度)もやわらかな形です。感情や夢を扱う海王星と内面や気持ちを司る月との調和的なつながりは、この句集の繊細でロマンチックな雰囲気に通じます。一方で水星と土星のコンジャンクション(0度)には生真面目さが見えてきます。こつこつと一つのことに打ち込む理論的な思考が感じられます。さらにもう一つのコンジャンクション(0度)を作る金星と木星は華やかな幸福感をもたらします。この句集が静かでありながらやわらかな華やかさをも持つのはこのアスペクトが影響しているのでしょう。
たまごいろしたる飛蝗の口辺り
たまご色と言われるとベビー服によく使われるようなパステルカラーの黄色を思い浮かべます。やわらかでぷくぷくした黄色と瑞々しい緑の色合いがとても華やかです。

(岸田祐子)
【執筆者プロフィール】
岸田祐子(きしだ・ゆうこ)
「ホトトギス」同人。第20回日本伝統俳句協会新人賞受賞。
↓岸田祐子さんの「ハイクノミカタ」(2025年4月〜8月連載)は、
バスケットボール漫画の金字塔『SLAM DUNK』に沿って俳句を読む企画🏀
