【結社推薦句】コンゲツノハイク【2026年10月】


前月に刊行された俳句結社誌・同人誌の最新号から推薦句を送っていただき、一覧として掲出するコーナーです。毎月、募集していますので、ご協力いただける俳誌・結社があれば、このページをご覧ください。ご投稿は、こちらのフォームからお願いします。

今月は掲載が遅くなりましたこと、お詫びもうしあげます。今月の読者参加型「コンゲツノハイクを読む」はお休みになります。(楽しみにしてくださっている皆さん、ごめんなさい)


コンゲツノハイク 2026年10月
(2026年9月刊行分)

今月の参加結社☞「秋草」「いには」「稲」「伊吹嶺」「円虹」「海原」「火星」「かつらぎ」「樺の芽」「銀化」「雲の峰」「澤」「秋麗」「青山」「蒼海」「台北俳句会」「鷹」「たかんな」「橘」「田」「天穹」「南風」「濃尾」「noi」「ふよう」「街」「雪華」


「秋草」(主宰=山口昭男)
【2010年創刊・兵庫県神戸市】
2026年10月号(通巻202号)
中元や犬が水飲む舌の音 山口昭男 
客人の蓮根の穴愛でてをり 西江友里
蟻が蟻担ぎて蟻の列の中 中村遥
夏落葉都のやうな明るさに 小鳥遊五月
風鈴の鳴り通しなる昼寝かな 木村定生
大皿に近江八景祭来る 土井一子
網戸して父をるやうな家になる 高橋真美


「いには」(主宰=村上喜代子)
【2005年創刊・千葉県八千代市】
2026年10月号(通巻217号)
同齢の老のさまざま牽牛花 村上喜代子
橋普請半ばの男三尺寝 堀川麗子
折紙のごと鵜が羽をたたみをり 石井よしみ
あの頃の味とは違ふ棒アイス 澤田 穣
日本酒派まづは麦酒で喉濡らす 武石孝


「稲」(主宰=山田真砂年まさとし)【2021年1月創刊】
2026年9月号(通巻36号)
菖蒲葺く地震に痛みし庇にも  小見戸 実
花びらの口とはいはず目といはず  大坪正美
夕間暮れ文字書くやうに燕飛ぶ  飛田小馬々
筍売のぢぢと気の合ひ客のぢぢ  鷹井はるみ
集会室にピンポンの音春の昼  滝代文平
木天蓼の花の向きたる谷深し  林 恵美子
母亡くて厨の梅酒琥珀色  瀧本 萠


「伊吹嶺」(主宰=河原地英武)
【1998年1月創刊・愛知県名古屋市】
2026年10月号(通巻340号)
ブラウスの君の隣へ夏期講座 河原地英武
山の気を震はせて落つ大瀑布 栗田やすし
けふもまた麦茶を沸かす大やかん 後藤聖子
昼顔や面談室の摺り硝子 加藤剛司
先頭は浜の子が曳く鯨山車 関根切子
妻が置く知らぬにほひの香水瓶 本庄鉄弥
墨書の禅の一文字梅雨の雷 日下雄介


「円虹」(主宰=山田佳乃)
【1995年創刊・兵庫県神戸市】
382
のうぜんの花一塊の風繋ぐ  角脇隆子
空蝉の歯に喰ひ込みし爪の先  横山脩子
走馬灯父在りし日の江戸切子  東田強
雨音の不揃ひとなる植田かな  藤岡正子
祇園絵会の売る子の声高し  松岡健
炎天を来て湧水へ服のまま  田渕郁子
一杯も二人に余るかき氷  大西桃李


「海原」(代表=堀之内長一)
【2018年創刊・千葉県市川市】
2026年9月号(第81号)
ふらここを降りて女は歩くかな 石田せ江子
合唱隊白木蓮に合流す 小野裕三
空に蒔く母の微睡麦は芽に 川田由美子
憲法記念日たまご焼きの朝がきた 小林育子
取っ手なき記憶の引き出し花は葉に 芹沢愛子
ホルムズ海峡ねぇそのシナモンとって 疋田恵美子
花辛夷ハイジのパンにママレード 森由美子


「火星」(主宰=山尾玉藻)
【1936年創刊・大阪府大阪市】
2026年9月号(通巻1040号)
月満ちてゆくばかりなり出水村 山尾玉藻
日盛やホースをたたむ入浴車 大山文子
船虫や少年に島つまらなく 蘭定かず子
おくつきは涼しきところ松香り 山田美恵子
風穴の風を背中に雲の峰 坂口夫佐子
音の無き砂の波間を盆の蝶 するきいつこ
万緑やとりおとしたる磁石盤 わたや栞


「かつらぎ」(主宰=森田純一郎)【1929年創刊・兵庫県宝塚市】
2026年9月号(通巻1161号)
絞られて滝純白となりにけり 森田純一郎
遊船の広きに二人メコン川 峰村ひさ子
ビリジアン塗りたてのやう今年竹 宇多村律子
下闇の沼田場の臭ふ夜見路かな 福賴聡子
光合成フル回転か草茂る 松下 弘
大葉揺れ伝導めける薄暑かな 横山有子
世の中に少し遅れて更衣 菅原好隆


「樺の芽」(主宰=粥川青猿)
【1967年創刊・北海道帯広市】
第55巻第9号通巻599号
いつの日も死者にはやさし青葉木  粥川青猿
鞦韆を漕げば真上の大業火     江波戸明
水浴びてアルキメデスとなってゐる 中島土方
干からびた蚯蚓がひとつ停留所   松原静子
ドームより川波へ跳ぶ道おしえ   岩佐勢津子
黙祷のしたたる汗をしたたらせ   道下いずみ
川の辺の夏草痛し非戦とす     熊谷千恵子


「銀化」(主宰=中原道夫)
【1998年創刊・東京都港区】
2026年10月号(通巻337号)
秋津飛ぶ名簿のアステリスクは死 橋本喜夫
昼寝覚額撫づるは風か母か 飯島士朗
ケバブ屋の肉削ぎ落としたる溽暑 平岡龍
涼しさや伊勢型紙を灯に透かし 三村凌霄
海の日のシーグラスには舌で触れ 渡邉マミヨ
八月や形見とつかぬもの焚べて 辻本鷹之
虎百頭ざつと羽織りてアロハシャツ 百真珠


「雲の峰」(主宰=朝妻力)
【1989年創刊・2001年結社化・大阪府茨木市】
2026年9月号(通算423号)
ややこしき天気図なれど涼新た  朝妻  力
猛暑日や気合を入れてごみ出しに  三澤 福泉
貧乏川の水音ゆたかにつゆの明  河原 まき
むきそばも庄内酒も夏の宵   林  雅彦
昼顔やテトラポッドを波が這ふ  光本 弥観
近江路を走るガチャコン雲の峰  岡田ひろ子
扇風機われ母衣武者のごと膨れ  杉山  昇


「澤」(主宰=小澤實)【2000年創刊・東京都杉並区】
2026年8月号(通巻317号)
フクイチ一時立ち入り許可証セーターの胸に垂らす 小澤實
涅槃塑像に小さき侍者等や吾も跪拝 角田康輔
あとうんのあはひにわれもわかしかも 江藤鳥歩
水瓶われ観音につままれて夏 冬魚
われを嗅ぐ鹿の鼻息熱く暑し 深井十日
道長の夏書の金字止め太し 髙野鈴子
蔵王権現の足裏豊かや青葉騒 峰尾麻紀子


「秋麗」(主宰=藤田直子)
【2009年創刊・神奈川県川崎市】
2026年9月号(通巻192号)
秋日傘すぼめ川風かはしけり 藤田直子
蝉の樹下還らぬ子待つ母の歌 竹下白陽
しんがりの火が闇を曳く虫供養 黒澤麻生子
樺忌やみなサッカーに夢中なり 新海あぐり
子のうたふ古歌や近江の夏祓 松永明美
佳き物は古き物なる夏館 成相真理子
イヤフォンに一日の熱や麦熟れ星 藤井南帆


「青山せいざん」(主宰=しなだしん)
【1982年創刊・神奈川県横浜市】
2026年9月号(通号526号)
待宵の松美しき岬かな   しなだしん
山に湧く雲を見てゐる避暑名残   井越芳子
よく泳ぐ金魚に付けて女王の名  水谷由美子
お礼肥撒いて八十八夜かな   山本洋子
ティンカーベル現れさうな星月夜  入部美樹
川と川落ち合ふところ秋の声  坂東文子
学び舎や新緑の森抜けてゆく  ローバック恵子


「蒼海そうかい」(主宰=堀本裕樹)
【2018年創刊・東京都新宿区】
33号(2026年3月発行)
暗きよりほの暗きへとおはぐろは 堀本裕樹
獏ひよいとのぞき見したる朝寝かな 大武端雀
東京に残ると決めし鴨の貌 三橋五七
暖かや歯科医の腹の鳴り止まず 白山土鳩
夏季賞与まぜそばに酢をふたまはし 郡司和斗
花の雨ほのかに花の影ありぬ 渡辺檀
嫉妬とは蓬の匂ふやうに来る 夏迫杏


「台北俳句会」
【1970年創立・台北市】
2026年9月
白鷺の世界は白鷺の高さ 田村龍太郎
新涼や嗚呼花瓶にもうなじにも 栃尾奏子
生命線どうのかうのと敬老日 鳥羽田重直
大聖堂の巌立ちベルリンの新涼 林建銘
新涼の星の彼方に繫ぐ糸 林彦蓁
新涼や仏画の前のピアスの子 下岡友加
白鷺の首長くして夕暮来 木下真子


「鷹」(主宰=小川軽舟)
【1961年創刊・東京都千代田区】
2026年10月号
地獄絵の炎涼しく茶掛とす   小川軽舟
大暑なり噎せて切なきコカ・コーラ  布施伊夜子
墓巨きクニは滅びし夕焼かな  桐山太志
ど突かれて空が響動もす揚花火   井上宰子
炎帝へわが身より立つ蒼き馬  大井さち子 
かき氷注射帰りの子とつつく  佐藤栄利子
褒められし日の夜濯に樹の香り  蓬田息吹


 「たかんな」(主宰=吉田千嘉子)
【1993年創刊・青森県八戸市】
2026年9月号(通巻405号)
牛の眼の濁り出したる溽暑くる  草野力丸   
誰彼の茅の輪くぐりの列につく  岩本律子
明易し夢でもリハビリに励み  大原信子
水明り青葉明りの奥入瀬路  小野寺和子
この日傘何本目かとつくづくと  江渡文子
キャベツ切るこの手応へとこの音と  宮本征子
着ることのなき物ばかり更衣  川越 研


「橘たちばな」(主宰=佐怒賀直美)
【1978年創刊・埼玉県久喜市】
2026号10月号(通巻586号)
赤手蟹火の爪上げて岩のぼる 倉谷義夫
星多き島の地ビール注ぎ合へり 松井努
帰り際に仏間の百合の向き直す 佐怒賀由美子
坂下る紫陽花の毬弾ませて 菅原善子
梅雨明や気球紙重き和紙の里 中島辰子
かはほりや一粒の星負うて舞ひ 風祭麻里
顎の力緩めて仰ぐ雲の峰 小森光夫


「田」(主宰=水田光雄)
【2003年創刊・千葉県市川市】
2026年10-11月号(通巻268号)
梅雨寒や雲湧きあがる甲斐の国 上野犀行
壜ビール注がるるたびに諭される 仲 栄司
遠雷やあからさまなる生返事 兼行美栄
梅酒透かしかくも世の中歪みたる 毛塚尚男
向日葵や後ろ姿のなほざりに 伊東慶子
デスクから昼寝専用枕出づ 瑜伽里枝
焼きそばのコテ踊らせてアロハシャツ 武田 聡


「天穹」(主宰=屋内修一)
【1998年創刊・東京都渋谷区】
2026年10月(通関344号)
蜩や晩年の無き父の墓 山口美智
エナメルの合羽着こなし青蛙 田嶋しゅうじ
自転車を横倒しして岩清水 田中国太郎
好きな句を離れぬ栞風涼し 青木遵子
梅天や雲の兎が亀を追ひ 安達幸代
介護者は頷き上手団扇風 坂場正保
担任は胎内被曝広島忌 村上眞弓


「南風」(主宰=村上鞆彦)
【1933年創刊・東京都葛飾区】
2026年10月号(通巻995号)
たまの休みは花運ぶ蟻見てをり 大熊光汰
法廷に茂りの迫り来てをりぬ 上田窓子
誰にも見せぬ夜の裸で飯つくる 板倉ケンタ
葉騒してあををさむしの擬死より醒む 延平昌弥
溺れ死にかけてその日の端居かな 東野礼豊
膨らんでゆく血の玉や夏野原 八田 吏
聞けば祖母飯匙倩の頭蓋を靴で叩いた 崎原 柚


「noi」(代表=神野紗希・野口る理)
【2025年創刊】
2026年9月号(通巻17号)
鯨には白夜の昏さって教えた  野上翠葉
重くつて痒くて汗の首恥づかし  丹下京子
山神のこゑを束ねて瀑布落つ  いずみ令香
ででむしと出会うデジタルデトックス 北口直
樹皮だけの幹に寝れば涼しかろ 音羽凜
原発へ野分謬謬謬謬謬 柊琴乃
僕よいつか手袋越しに遺書を打つ 柊木快維


「濃美」(主宰=渡辺純枝)
【2009年創刊・岐阜県岐阜市】
2026年10月号(通巻211号)
笹の上の鮎に笹の葉が映り 渡辺純枝
猿酒や等高線を読むをとこ 関谷恭子
惜別の句よ六月のガラスペン 太田眞佐子
昼寝よりさめてひとりと気づきたる 中野登代子
夏椿ぶあつき雲を明るうす 小泉裕子
預かりし猫の不機嫌アマリリス 中島美恵子
団欒の灯のやはらかく網戸越し 大沼明子


「ふよう」(主宰=千々和恵美子)
【2005年創刊・福岡県遠賀郡】
2026年9月号(通巻139号)
閻王の前の徳用マッチかな   千々和恵美子
空き缶を拾ひ親子の夏終る   藤井さわこ
雷神の一喝濁世叱りけり  齊藤禮子
仏壇の梨平らげて香立てて   村上智恵子
またしても傾ぎしままの墓洗ふ   加藤寿美代
満洲の思ひ出苦く敗戦日   平野静子
白玉に砂糖ひと匙昭和の日   福田由美子


「街」(主宰=今井聖)
【1996年創刊・神奈川県横浜市】
NO.181
246突つ切る花柄浴衣かな 今井 聖
除菌消臭除渋漂白夏の雲 金丸和代
社宅に魚籠二つ干されし夏の月 末次 正
夜光蟲テトラポッドの裏照らす 蜂谷一人
「よろしいか」シートを倒し缶ビール 府川雅明
夏鶯たつぷり聞かせ棺閉づ 半澤登喜惠
匙入れてゼリーに深き森の色 松野苑子


「雪華」(主宰=橋本喜夫)
【1978年創刊・北海道旭川市】
2026年10月号
すててこの俺は転倒適齢期 橋本喜夫
打水は影を隈なく塗りつぶす 増田植歌
熟れにほふ甜瓜(まくは)と備えられぬ死と 鈴木牛後
蝦夷梅雨や耳の奥にも蝸牛殻(かたつむり) 小泉晃治
八月来つぎつぎ炎(ほむら)あげながら 五十嵐秀彦
まなうらをなほのた打てり毛虫焼く 高木宇大
秋の宵孤独が転移しはじめる 星伸昭


【次回の投稿のご案内】
◆応募締切=2026年11月5日
*対象は原則として2026年10月中に発刊された俳句結社誌・同人誌です。刊行日が締切直後の場合は、ご相談ください。
◆配信予定=2026年11月10日ごろ
◆投稿先 以下のフォームからご投稿ください。
https://ws.formzu.net/dist/S21988499/

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