【春の季語=仲春(3月)】蟻穴を出づ
「啓蟄」のころに地中に籠っていた「蟻」たちが、巣穴から出てくること。
長い音数の季語であるため、わりあい自由なかたちで用いられることが多い。
【蟻穴を出づ(上五)】
蟻出るやごうごうと鳴る穴の中 村上鬼城
蟻穴を出でておどろきやすきかな 山口誓子
蟻穴を出づる尻のみな傷み 皆吉爽雨
蟻穴を出でておもひおもひの道撰ぶ 福永耕二
穴出でて帰らぬ蟻もありしとふ 能村研三
穴出でし蟻大仏の膝登る 本玉秀夫
蟻穴を出て供物のにほふ處かな 中原道夫
蟻穴を出づひとつぶの影を得て 津川絵理子
【蟻穴を出づ(中七)】
【蟻穴を出づ(下五)】
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】