
【秋の季語=初秋(8月)】カンナ/花カンナ
もともとは熱帯植物だが、品種改良されて園芸種となったものを「ハナカンナ」と呼びます。春植えで、夏から秋にかけて咲きます。赤い花というイメージが一般的でしょうか。
1~2mの草丈で、太い茎の先に花径10cmほどの花が数個まとまってつきます。グラジオラスに似た花形。 花弁に見えるものは雄しべが変形したもの。 赤以外にも黄色、ピンク、白、絞りや斑入りもあります。

【カンナ(上五)】
緋のカンナ夜の女体とひらひらす 富永寒四郎
花かんな昭和の色を消し忘れ 岸本マチ子
花カンナ高架とならず駅古び 三村純也
カンナの緋プロメテウスが盗んだ火 月野ぽぽな
【カンナ(中七)】
鶏たちにカンナは見えぬかもしれぬ 渡辺白泉
あかくあかくカンナが微熱誘ひけり 高柳重信
【カンナ(下五)】
景色を凸凹にするカンナかな 京極杞陽
本屋の前自転車降りるカンナの黄 鈴木しづ子
どの道も日本を出でずカンナの朱 池田澄子
きしみつつ日輪落つるカンナかな 奥坂まや
右の耳ばかりが熱きカンナかな 夏井いつき
その中に崩落の音花カンナ 月野ぽぽな
火星人の背丈くらゐのカンナかな 興梠隆
伝説のロックンロール! カンナの、黄! 福田若之