冬の季語

【冬の季語】大寒

【冬の季語=晩冬(1月)】大寒

大寒(だいかん)は、冬の最後の二十四節気。

一年でいちばん寒さが厳しくなるころである。


【大寒(上五)】
大寒にまけじと老の起居かな 高濱虚子
大寒の埃の如く人死ぬる 高濱虚子
大寒や見舞にゆけば死んでをり 高濱虚子
大寒といふといへどもすめらみくに 高濱虚子
大寒や白々として京の町 桂木犀
大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太
大寒の街に無数の拳ゆく 西東三鬼
大寒の蜘蛛の一糸をひきしのみ 菖蒲あや
大寒に試みられてゐるとする 相生垣瓜人
大寒や水はうごいて湯となりぬ 八田木枯
大寒や一痕もなき穂高嶽 宮坂静生
大寒の深き茶碗に大服を 松浦宗克
大寒や万物に罅入るごとし 伊藤洋
大寒の光塵として糞まりぬ 渡辺誠一郎
大寒や人は柩を空に置く 五十嵐秀彦
大寒や言葉で幾何を解く男 五十嵐秀彦
大寒の骨壷あまくにほひけり 小澤實
大寒や兎は莱屑こぼしつづけ 加藤かな文
大寒や打ち返す音の速くなり 柏柳明子
大寒の残骸として飼育室 曾根毅
大寒の底に落ち合ふ峡の径  伊藤幹哲
大寒の背骨は小さき骨の群れ 小林鮎美

【大寒(中七)】
父の亡き大寒やただ透明に 相馬遷子
縄とびの子ら大寒の土を蹴る 横山茂子
閼伽桶へ汲む大寒の井戸の水 池田のりを

【大寒(下五)】
ああといひて吾を生みしか大寒に 矢島渚男


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【夏の季語】鮎
  2. 【夏の季語】草田男忌/炎熱忌
  3. 【冬の季語】実南天
  4. 【夏の季語】空蟬/蟬の殻 蟬の抜殻
  5. 【新年の季語】なまはげ
  6. 【春の季語】風光る
  7. 【春の季語】落椿
  8. 【春の季語】春風

おすすめ記事

  1. ラガーらの目に一瞬の空戻る 阪西敦子【季語=ラガー(冬)】
  2. 絵杉戸を転び止まりの手鞠かな 山崎楽堂【季語=手鞠(新年)】
  3. 【春の季語】遠足
  4. 海鼠切りもとの形に寄せてある 小原啄葉【季語=海鼠(冬)】
  5. 対岸の比良や比叡や麦青む 対中いずみ【季語=麦青む(春)】 
  6. バレンタインデー心に鍵の穴ひとつ 上田日差子【季語=バレンタインデー(春)】
  7. 【冬の季語】熊穴に入る
  8. しまうまがシャツ着て跳ねて夏来る 富安風生【季語=夏来る(夏)】
  9. 着ぶくれて田へ行くだけの橋見ゆる 吉田穂津【季語=着ぶくれ(冬)】
  10. 【春の季語】雲雀

Pickup記事

  1. 蛍火や飯盛女飯を盛る 山口青邨【季語=蛍火(夏)】
  2. 「野崎海芋のたべる歳時記」ルバーブ
  3. 【新年の季語】二日
  4. 雛飾る手の数珠しばしはづしおき 瀬戸内寂聴【季語=雛飾る(春)】
  5. 大いなる春を惜しみつ家に在り 星野立子【季語=春惜しむ(春)】
  6. 胸元に来し雪虫に胸与ふ 坂本タカ女【季語=雪虫(冬)】
  7. サイネリア待つといふこときらきらす 鎌倉佐弓【季語=サイネリア(春)】
  8. 【秋の季語】団栗
  9. もの書けば余白の生まれ秋隣 藤井あかり【季語=秋隣(夏)】
  10. 「十六夜ネ」といった女と別れけり 永六輔【季語=十六夜(秋)】
PAGE TOP