【春の季語=初春(2月)】風生忌
俳人・富安風生の忌日。2月22日である。虚子の〈風生と死の話して涼しさよ〉は、とても有名な一句。
富安風生は、東京帝国大学法科大学卒業後、逓信省(現:総務省)に入り、後に逓信次官となったエリート。俳人としては、高浜虚子に師事、「ホトトギス」同人。逓信省内の俳句雑誌『若葉』の選者となり、これが後に主宰誌となって、岸風三楼、菖蒲あや、清崎敏郎、加倉井秋を、岡本眸らを育てた。軽妙、洒脱な句風が特色。
1974年に芸術院会員となった。1979年2月22日没。
【風生忌(上五)】
風生忌風に光の加はりし 小山いたる
【風生忌(中七)】
【風生忌(下五)】
三年といふ年月も風生忌 清崎敏郎
朴の芽の今年は遅き風生忌 清崎敏郎
老梅のくれなゐの艶風生忌 鈴木貞雄
春星の二つ相寄る風生忌 伊東とみ子
真間の空色まだ浅し風生忌 柚口満
さうかねと目が笑ひをり風生忌 中川純一