【春の季語=三春(2月〜4月)】春野
春の野原のこと。「はるの」と読む。「春の野」とも。
「夏の野」は「夏野」、「秋の野」は「秋野」、「冬の野」は「冬野」である。
【春野(上五)】
春野面見れば虫さへ幼しや 三橋敏雄
【春野(中七)】
自転車の灯の行く春野暮れきらず 右城暮石
花すみれ白き春野の汚れけり 高屋窓秋
我も夢か巨勢の春野に腹這へば 河原枇杷男
暮れやすき女春野に伏すが好き 中村苑子
転任や春野に川を一つ越す 落合水尾
五合庵天にも春野にも近し 落合水尾
人の手を離れ春野にある鞄 藤原暢子
【春野(下五)】
背の子の起きて軽さや春野行く 田中王城
放射路のゆくてゆくてにある春野 福田蓼汀
人間はきのふをはりて今日春野 平井照敏
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】