季語・歳時記

【春の季語】雛飾る

【春の季語=仲春(3月)】雛飾る

3月3日の節句(上巳の節句、桃の節句)で、幼い女子の健やかな成長を祈り、「雛人形」を飾ること。


【雛飾る(上五)】
雛飾りつゝふと命惜しきかな 星野立子
雛飾る吾子より妻の愉しくて 根岸善雄
雛飾る手の数珠しばしはづしおき 瀬戸内寂聴
雛飾る日差し明るき日を選び 島田玲子
雛飾る四五冊の本片寄せて  山本洋子
雛飾る部屋に目覚めて闇深し 片山由美子
雛飾る磯の匂ひがつんと来て 岸本尚毅

【雛飾る(中七)】
とぼしらの明治の雛飾りけり 山口青邨
妻子しづかや雛飾りゐるらしき 辻田克巳
ことし雛飾らず雛の夜を更かす 片山由美子

【雛飾る(下五)】
夜を籠めて降りて雪晴雛飾る 後藤夜半
燭台の倒れ易さよ雛かざる 高濱年尾
海に降る雪美しや雛飾る 小林康治
俳諧に虚の恋ばかり雛飾る 品川鈴子
誰も来ぬはずの一日や雛飾る 片山由美子
漢字ひとつふたつ忘れて雛飾る 仙田洋子


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



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