【秋の季語】銀杏(いちょう)

【秋の季語=晩秋(10月)】銀杏(いちょう)

イチョウの木々は、晩秋になると黄色く色づく。日を受けて輝く様は、美しい。

「銀杏」は「ぎんなん」とも読むことができるが、「銀杏散る」「銀杏黄葉」などと使われたときには、「いちょう」である。歴史的仮名遣いとしては「いちやう」。ただし江戸時代以降は、「いてふ」と書かれてきた経緯もある。

ぎんなん」を漢字で書くと「銀杏」となるが、これは中国語に由来するもの。

「いちょう」は中国語の「鴨脚」の唐宋音が変化した語。「公孫樹」という字を当てることもある。

非常に微妙なところではあるが、「銀杏散る」は秋の季語、「銀杏落葉」は初冬の季語とされることが多い(「落葉」が冬の季語であるため)。また、「銀杏の花」は、晩春の季語である。

地面を黄葉した葉が埋め尽くすような状態を「黄落」という季語で呼ぶこともある。


【銀杏(上五)】
銀杏散るところで母が待つてをり 山本洋子
銀杏降る夜空へ近き交差点  山岸由佳
銀杏より来る衛生検査員  酒井俊祐

【銀杏(中七)】
公園の銀杏が散つて真つ暗に 上田信治
早退や街は銀杏の重さして 樫本由貴

【銀杏(下五)】
むかしから大樹なりけり銀杏散る 井出野浩貴

【その他の季語と】


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