【春の季語】鴨引く

【春の季語=初春〜仲春(2月〜3月)】鴨引く

【ミニ解説】

引鴨」を動詞的に用いた季語。「鴨帰る」とも。


【鴨引く(上五)】
鴨引いて記すべきもなき日を継げる 上田五千石
鴨引きて放心のさま鳶にあり 百合山羽公
池の鴨引き際いさぎよかりけり 鈴木真砂女

【鴨引く(中七)】
水離れ際やかに鴨引かんとす 上田五千石
病室に鴨引く声の縷となりぬ 斎藤玄
目つむりて鴨引くこゑとなりゐたる 森澄雄
新陵の鴨引く空となりにけり 石田勝彦

【鴨引く(下五)】
観潮の帰航の雲に鴨引ける 飯田蛇笏
天高く地をはなしては鴨引くか 松村蒼石


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



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