【春の季語】寒明くる

【春の季語=初春(2月)】寒明くる

小寒」・「大寒」と続いた30日間の「」が明けることを意味する「寒明」を動詞として用いたかたち。

口語的に「寒明ける」として用いられることもある。


【寒明くる(上五)】
寒明ける甲斐の疾風のなかに佇つ 福田甲子雄
寒明けし佛間通りぬいくたびも 関戸靖子
寒明けしことに添ひかねゐる心 稲畑汀子
寒明けしこと音に出て水車小屋 遠藤若狭男

【寒明くる(中七)】
いくたびか喪服着し寒明けにけり 宮下翠舟
わがかたちわがこゑ寒の明けにけり 岡本眸

【寒明くる(下五)】
川波の手がひらひらと寒明くる 飯田蛇笏
姿なき鳥のこゑより寒明くる 堀切克洋


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