冬の季語

【冬の季語】寒

【冬の季語=晩冬(1月)】寒

太陽暦の1月5日、6日ごろ、「小寒」から「大寒」をへて「節分」までの約30日間は、更に寒さが厳しくなるころなので、「寒」または「寒の内」と呼ばれる。「寒の内」の晴れた日は「寒晴」。雨の日は「寒の雨」。ほかにも「寒の水」「寒月」「寒雀」「寒紅」「寒肥」など寒にまつわる季語は多い。

「寒」が明けると「立春」になります。


【寒(上五)】
寒の日の肩ほこほこと打ち給ふ 川端茅舎
寒の日の今こそ我が背焼き給ふ 川端茅舎
寒の日の静かさ崖はこぼれつぎ 川端茅舎
寒の坂女に越され力抜け 岸田稚魚
寒の日のいくたび変る海の色 五所平之助

【寒(中七)】
ラヂオさへ黙せり寒の曇り日を 日野草城
わが庭の寒のたんぽぽ君に摘む 山口青邨
いのち一つ寒の瞳の中にあり 野澤節子
はららごをかなしむ寒の色として 石田勝彦
母すこやか寒の厨に味噌の樽 吉田汀史
陸沈み寒の漣ただ一度 齋藤愼爾

【寒(下五)】
われ起きてはじまるけふの寒きびし 山口波津女


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【春の季語】猫柳
  2. 【秋の季語】狗尾草/ゑのこ草 ゑのころ 猫じやらし
  3. 【夏の季語】蛍
  4. 【冬の季語】追儺
  5. 【秋の季語】十三夜
  6. 【冬の季語】豆撒く
  7. 【春の季語】四月馬鹿
  8. 【春の季語】春めく

おすすめ記事

  1. 止まり木に鳥の一日ヒヤシンス  津川絵理子【季語=ヒヤシンス(春)】
  2. 【春の季語】永き日
  3. 原爆忌誰もあやまつてはくれず 仙田洋子【季語=原爆忌(秋)】
  4. 方舟へ行く一本道の闇上野ちづこ(無季)
  5. 乾草は愚かに揺るる恋か狐か 中村苑子【季語=乾草(夏)】
  6. 梅の径用ありげなる人も行く 今井つる女【季語=梅 (春)】
  7. 【連載】加島正浩「震災俳句を読み直す」第6回
  8. 倉田有希の「写真と俳句チャレンジ」【第4回】
  9. 愉快な彼巡査となつて帰省せり 千原草之【季語=帰省(夏)】
  10. 【夏の季語】キャンプ/テント バンガロー キャンプ村 キャンプ場 キャンプファイヤー バーベキュー

Pickup記事

  1. 木琴のきこゆる風も罌粟畠 岩田潔【季語=罌粟(夏)】
  2. 暮るるほど湖みえてくる白露かな 根岸善雄【季語=白露(秋)】
  3. 【春の季語】春時雨
  4. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第54回】 宗谷海峡と山口誓子
  5. 雨聴いて一つ灯に寄る今宵かな 村上鬼城【季語=無月(秋)?】
  6. 結婚は夢の続きやひな祭り 夏目雅子【季語=雛祭(春)】
  7. 二十世紀なり列国に御慶申す也 尾崎紅葉【季語=御慶(新年)】
  8. 【新年の季語】七種(七草)
  9. 「パリ子育て俳句さんぽ」【2月19日配信分】
  10. 【結社推薦句】コンゲツノハイク【2023年1月分】
PAGE TOP