【夏の季語=三夏(5ー7月)】草いきれ
くさいきれ。暑い夏の日の、むせぶようなほどの、草むらの熱気のこと。
【草いきれ(上五)】
草いきれその正体に近づきゆく 波多野爽波
草いきれゾーリンゲンの刃が大事 波多野爽波
草いきれ嘴のごと月細りゐる 友岡子郷
草いきれ振り向きて振り向かれけり 池田澄子
【草いきれ(下五)】
遠縁のをんなのやうな草いきれ 長谷川双魚
不発弾あるやも知れず草いきれ 鷹羽狩行
戦争の記憶の端に草いきれ 奥名春江
約束の絵を見にきたる草いきれ 田中裕明
人くさきとは比良坂の草いきれ 竹岡一郎
天体のみなしづかなる草いきれ 生駒大祐