【春の季語=晩春(4月)】野遊
野に出て遊ぶこと。
ピクニックをしたり、スポーツをしたり、草を摘んだりするなど、陽光を満喫するのも春のよろこびのひとつである。
季語としては「野遊び」と「び」を送ることもあり、また「野に遊ぶ」と動詞として用いることもある。
【野遊(上五)】
野遊びや肱つく草の日の匂ひ 大須賀乙字
野遊びの皆伏し彼等兵たりき 西東三鬼
野遊か塔婆かついでぞろりぞろり 平畑静塔
野遊びの跳んで小橋を省きけり 鷹羽狩行
野遊のついでを詫びて父母の墓 長谷川明子
野遊びの児の尻花粉まみれなる 江里昭彦
野遊びや声のつぶてを吾子に投げ 上田日差子
野遊のしばらく黙りゐる二人 涼野海音
【野遊(中七)】
墓に来てこれも野遊びかと思ふ 星野麥丘人
墓訪うて野遊めくを容されよ 岡本眸
大佛殿見ゆる野遊び終りけり 藤田湘子
書を繰りて野遊びの夜の指粗し 山田弘子
【野遊(下五)】
六朝の赤馬鞍おけば野遊に 山口青邨
【ほかの季語と】
磯遊び野遊び一つ太陽に 鷹羽狩行