季語・歳時記

【春の季語】沙翁忌

【春の季語=晩春(4月)】沙翁忌/シェイクスピア忌

16~17世紀に活躍したイギリスの偉大な劇作家・ウィリアム・シェイクスピアの忌日のこと。「さおうき」または「しゃおうき」と読む。4月23日である。

「沙」は「沙比阿」などの略。「翁」は高齢の男の人の敬称である。俳句で「翁忌」といえば、松尾芭蕉の忌日をいうが、ほぼ同時代を生きた英国の劇作家をそれになぞらえて呼ぶ、あそび的な一面もある季語である。

坪内逍遥が全40冊からなる『沙翁傑作集』の第1編として「ハムレット」を世に出したのは、1909(明治42)年のこと。1911(明治44)年には、帝国劇場(帝劇)で初めて「ハムレット」完全上演がされた。オフィーリアを演じたのは、松井須磨子。

シェイクスピアは、1616年4月23日に没したとされている。死因は腐ったニシンから伝染した感染症とも。誕生日が4月23日であるという伝承が正しいならば、シェイクスピアの命日は誕生日と同じ日ということになる。


【沙翁忌/シェイクスピア忌(上五)】

【沙翁忌/シェイクスピア忌(中七)】
フェイク・フェイク・フェイクシェークスピアの忌なりけり 矢島渚男
(注「言葉言葉言葉」ハムレット)

【沙翁忌/シェイクスピア忌(下五)】


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