【秋の季語】夜食

【秋の季語=三秋(8月〜10月)】夜食

もともとは「夜なべ」のあとなどにとっていた軽食のことをさしていたが、サラリーマンの残業や夜遅くまで勉強をしている学生のとる軽食なども指す。

ラーメン、おにぎり、焼きそば、うどん、スナック菓子……。受験勉強や夜型生活になくてはならない夜食は、どのようにして全国に普及してきて、一つの文化として成熟したのか。文化的・歴史的な過程をたどりながら、夜食と日本人との関係に鋭く斬り込む。


【夜食(上五)】
夜食粥在所の冷えは膝よりす 石橋秀野
夜食とる後姿の足重ね 福田蓼汀
夜食とる連帯感の如きもの 後藤比奈夫
夜食人法(ふらん)を数へゐたるかな  垂水文弥

【夜食(中七)】
舌嚙むなど夜食はつねにかなしくて 佐野まもる
悲鳴にも似たり夜食の食べこぼし 波多野爽波
文体がちがふ夜食のまへとあと 大塚凱

【夜食(下五)】
面やつれしてがつがつと夜食かな 高浜虚子
いやしさもどこかにありて夜食かな 杉阪大和

【その他】

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