火葬場を出ると、瑞々しい木々から少し強めの風が吹く。小説であれば、ああでもない、こうでもないと内面をまどろっこしく描写できるのだろうが、俳句では「みぞおち」とだけ言うのみ。「みぞおち」は、胸と腹のちょうどあいだ、身体のちょうど中央にある。大切な人がこの世からいなくなった欠如感が、この部位に感じられるわずかな痛みと照応している。「俳句界」2019年3月号より。(堀切克洋)
眼のなれて闇ほどけゆく白牡丹 桑田和子【季語=白牡丹(夏)】
【夏の季語】空蟬/蟬の殻 蟬の抜殻
トップページに戻る
2021-4-12
2021-2-2
2021-3-11
2021-4-1
Copyright © セクト・ポクリット All rights reserved.