ハイクノミカタ

川を見るバナナの皮は手より落ち 高濱虚子【季語=バナナ(夏)】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: eye-2horikiri--1024x538.png

川を見るバナナの皮は手より落ち

高濱虚子


初出は、1935年でこれにより「バナナ」が夏の季題となった。とてつもなく有名な句だが案外、この句の「川」と「皮」が同音意義語であることに触れた鑑賞というのは、少ない気がする。当たり前すぎるからかもしれないが、まったくの偶然ということはないだろう。さて、「皮」には「身=バナナ」という対応物があるが、「川」はいかに。川の「身」とは滔々と流れてゆく水である。もちろん、その水のことを「川」と呼ぶのだけど、時間に沿って生々流転するのは、「川/皮」ではなく、その「身=バナナ/水」のほう。そんなふうに、バナナの「皮」ひとつから、川の川性について考えてしまう、哲学的(?)な句でもある、なんちゃって。(堀切克洋)



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 聞えない耳なら石榴ぶらさげよ 金原まさ子【季語=石榴(秋)】
  2. 七十や釣瓶落しの離婚沙汰 文挾夫佐恵【季語=釣瓶落し(秋)】
  3. 蜩やチパナスのあたり雲走る 井岡咀芳【季語=蜩(秋)】
  4. わが畑もおそろかならず麦は穂に 篠田悌二郎【季語=麦の穂(夏)】…
  5. 秋の川真白な石を拾ひけり 夏目漱石【季語=秋の川(秋)】
  6. 日本の元気なころの水着かな 安里琉太【季語=水着(夏)】
  7. 底冷えを閉じ込めてある飴細工 仲田陽子【季語=底冷(冬)】
  8. 牛日や駅弁を買いディスク買い 木村美智子【季語=牛日(新年)】

あなたへのおすすめ記事

連載記事一覧

PAGE TOP