【春の季語=仲春(3月)】花吹雪
「桜」の花が「春風」に煽られ、まるで「吹雪」のように散っていくこと。「桜吹雪」とも。
【花吹雪(上五)】
花吹雪初めの一辯二辯かな 三橋敏雄
花吹雪だんだん怖きことおもふ 仙田洋子
【花吹雪(中七)】
象へ走る花吹雪には目もくれず 石井とし夫
いざさらば花吹雪まで凍死行 仁平勝
【花吹雪(下五)】
下からも見上げて居るや花吹雪 野村泊月
おいて来し子のことばかり花吹雪 星野立子
地に憂ひあれば空ゆく花吹雪 桂信子
佝僂われを人が見てゐる花吹雪 国弘賢治
たましひを攫はれまいぞ花吹雪 山田弘子
風なくて散り風来れば花吹雪 柴田多鶴子
一本のすでにはげしき花吹雪 片山由美子
南朝も北朝もなし花吹雪 佐土井智津子