夏の季語

【夏の季語】筍

【夏の季語=初夏(5月)】

【ミニ解説】

竹の新芽を「筍」といいます。食用として筍か、その成長の早さを詠む場合が多いです。

「たかうな」「たかんな」は古名、「笋」は異体字、「竹の子」は江戸時代に広く使われた表記。


【筍(上五)】
たけのこや稚き時の絵のすさび 芭蕉
竹の子や児の歯ぐきの美しき 嵐雪
笋のうんぷてんぷの出所かな 一茶
筍の光放つてむかれけり 渡辺水巴 
筍や雨粒ひとつふたつ百 藤田湘子
筍にくらき畳の敷かれあり 飯島晴子
筍掘れば物音沈みゆく夕べ 小谷伸子
筍や悔い改めよ脱ぎ捨てよ 横須賀洋子
筍の茹で上がるまでひと眠り 鳴戸奈菜
たけのこに初めてあたる雨がある 中西ひろ美
筍に目玉を一つ与へけり 関悦史

【筍(中七)】
目黒なる筍飯も昔かな 高浜虚子
熾んなる日の筍に鶏つるむ 原石鼎
雨を聴く筍の皮剥きながら 安住敦
そそくさとバス降り筍おとしたる 有馬さざれ石
ざわざわのなか筍の出でにけり 南十二国

【筍(下五)】
をかしさや去来の墓と筍と 喜舟


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【冬の季語】冬野
  2. 【春の季語】惜春
  3. 【春の季語】春寒し
  4. 【冬の季語】納豆
  5. 【春の季語】春の雪
  6. 【春の季語】春の月
  7. 【冬の季語】綿虫
  8. 【春の季語】山桜

おすすめ記事

  1. 先生はいつもはるかや虚子忌来る 深見けん二【季語=虚子忌(春)】
  2. 新婚のすべて未知数メロン切る 品川鈴子【季語=メロン(夏)】
  3. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第40回】 青山と中村草田男
  4. あたゝかな雨が降るなり枯葎 正岡子規【季語=あたたか(春)?】
  5. 犬の仔のすぐにおとなや草の花 広渡敬雄【季語=草の花(秋)】
  6. 大利根にほどけそめたる春の雲 安東次男【季語=春の雲(春)】
  7. 「体育+俳句」【第2回】西山ゆりこ+ダンス
  8. 春ショール靡きやすくて恋ごこち 檜紀代【季語=春ショール(春)】
  9. 【春の季語】愛の日
  10. あひふれしさみだれ傘の重かりし 中村汀女【季語=五月雨(夏)】

Pickup記事

  1. 梅咲きぬ温泉は爪の伸び易き 梶井基次郎【季語=梅(春)】
  2. 【春の季語】うららか
  3. 温室の空がきれいに区切らるる 飯田晴【季語=温室(冬)】
  4. 【夏の季語】梅干(梅干し)
  5. くらき瀧茅の輪の奥に落ちにけり 田中裕明【季語=茅の輪(夏)】
  6. 【夏の季語】キャンプ/テント バンガロー キャンプ村 キャンプ場 キャンプファイヤー バーベキュー
  7. 【連載】歳時記のトリセツ(10)/小津夜景さん
  8. 神保町に銀漢亭があったころ【第60回】片山一行
  9. 懐手蹼ありといつてみよ 石原吉郎【季語=懐手(冬)】
  10. 神保町に銀漢亭があったころ【第25回】山崎祐子
PAGE TOP