【夏の季語】海月

【夏の季語=三夏(5月-7月)】海月

刺胞動物門に属する動物のうち、淡水または海水中に生息し浮遊生活をする種の総称である。

体がゼラチン質で、普通は触手を持って捕食生活をしている。

「水母」「海月」「水月」「蚱」などの漢字を充てる。

クラゲは一年中海にいるが、7月・8月ごろになると、海水の表面の温度があがり、小さかったクラゲがどんどん餌を食べて成長して大きくなる。そのため、海水浴場などでは「クラゲに注意」の看板などが出ることがある。

『毛吹草』(1645年)に初出とされる。


【海月(上五)】
白くらげ蕾のやうな芯もてる  対中いずみ
くらげ縮むたび月光の遠くなる  花谷清
くらげみな廃墟とならむ夢のあと 小津夜景
大くらげ月のひかりをうらがへす 堀切克洋
くらげくらげ 触れ合って温かい。痛い。  福田若之

【海月(中七)】
沈みゆく海月みづいろとなりて消ゆ 山口青邨
夢殿やくらげの脚をくしけづる 小津夜景
水槽にうかぶくらげとをんなのかほ 榮猿丸
ただならぬ海月ぽ光追い抜くぽ 田島健一
じきに死ぬくらげをどりながら上陸  御中虫
いいねするたびにくらげのうまれけり 森尾ようこ

【海月(下五)】
わだつみに物の命のくらげかな 高濱虚子
億年を誰待つ崖ぞ水母寄す 神野紗希
文明の果ての色して海月かな 川又夕



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