【夏の季語=初夏(5月)】夏めく
暦のうえで「立夏」をすぎると、少しずつ夏らしくなってくる。「夏兆す」とも。
夏が深まってきたころ、対応する季語としては「夏深し」などがある。
【夏めく(上五)】
夏めくや化粧うち栄え嬖(おもひもの) 高濱虚子
夏めくや海へ向く窓うち開き 成瀬正俊
夏めくとひそかなものに鹿の脚 長谷川櫂
【夏めく(中七)】
麺麭摂るや夏めく卓の花蔬菜 飯田蛇笏
鶏放つ朝方は夏めきにけり 清水基吉
江戸趣味の目立ち夏めき来りけり 成瀬正とし
浪曲の夏めき語る蓄音機 筑紫磐井
【夏めく(下五)】
湯上りの胸の黒子や夏めきぬ 森澄雄
フラスコのゆがみし影の夏めけり 近恵