【春の季語】春の水

【春の季語=仲春(3月)】春の水

春になり気温が上がってくると、硬くて凛とした「冬の水」とは異なり、どこかまるみを帯びたような、やわらかな印象が強くなってくる。寒さがゆるみ、池や川の水があたたかい感じになってくるは「水温む」という動詞でも季語とされる。長谷川櫂の〈春の水とは濡れてゐるみづのこと〉は、よく知られている。


【春の水(上五)】
春の水いまひとまたぎすれば旅 行方克巳
春の水とは濡れてゐるみづのこと 長谷川櫂

【春の水(中七)】
裏返へりては春の水らしくなり 山口昭男

【春の水(下五)】
牛のせて舟泛びけり春の水 徳田秋声
そんなことよく思ひつく春の水 岡田史乃
生まれては光りてゐたり春の水 掛井広通
割り算でといてみなさい春の水 三宅やよい
思ふより豚の大きく春の水 岡田由季


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