
【夏の季語=三夏(5-7月)】単衣
裏地のついていない着物のこと。「袷」(あわせ)の着物から「単衣」へと転換するのは、6月ごろの「更衣」だが、近年は平均気温の上昇から身につける時期が長くなりつつある。軽やかで見た目にも涼しい。歴史的仮名遣いは「ひとへ」。

【単衣(上五)】
単衣着て若く読みにし書をひらく 能村登四郎
薄単衣やうやく不順抜け切りて 及川 貞
単衣きりりと泣かぬ女と見せ通す 鷲谷七菜子
単衣着て身内のどこか翻り 神蔵器
単衣着て妻恋坂の影踏みぬ 德田千鶴子
【単衣(中七)】
乳あらはに女房の単衣襟浅き 河東碧梧桐
夢に逢ひし波郷の単衣こゑ聞かず 横山佳也代
【単衣(下五)】
血の音のしづまるを待つ単衣着て 能村登四郎
いくさ遠し遠しと思へ単衣縫ふ 山田みづえ
一恙の機嫌伺ひ薄単衣 諸岡孝子
【その他の季語と】
涼しさや帯も単衣も貰ひもの 竹下しづの女
秋めくや素肌の単衣朝薄し 石塚友二