
【夏の季語=初夏(5月)】卯の花腐し
「卯の花」が咲くころの長雨。万葉集に〈春されば卯の花腐し我が越えし妹が垣間は荒れにけるかも〉(春になると卯の花を腐らせて春雨が降り、昔私の越えた妻の家の垣の間は、今荒れてしまったなあ)という作者不詳の歌が見える。

【卯の花腐し(上五)】
卯の花腐しぬるき火傷のやうな唇 田中亜美
卯の花腐し急ぎ百枚名詞刷る 荻原裕幸
卯の花くたし面会謝絶の兄へ羽音 竹岡一郎
【卯の花腐し(中七)】
昼寝後も卯の花腐し荒れにけり 田中裕明
【卯の花腐し(下五)】
軽石の痩せて卯の花腐しかな 鈴木直充
辞書めくるほどに卯の花腐しかな 川島秋葉男
夢に見る雨も卯の花腐しかな 岡田一実
【その他の季語と】