こんな本が出た【2021年1月刊行分】

こんな本が出た
【2021年1月刊行分】


このコーナーでは、俳句に関係する本の新刊を記録しています。
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【雑誌】

雑誌名特集出版社価格
俳句 2021年2月号韻文のてにをは/追悼 黛執角川文化振興財団1040円
俳句界 2021年2月号みちのく俳人競詠/てにをは再入門文學の森1000円
NHK俳句 2021年 02 月号NHK出版660円
俳句四季 2021年 02 月号東京四季出版1000円
俳壇 2021年2月号第35回俳壇賞決定発表本阿弥書店900円
俳句史研究 第26号大阪俳句史研究会1000円
WEP俳句年鑑2021近ごろ思うことどもウェップ3190円

【一般】

書名著者名出版社価格
NHK俳句 あるある! お悩み相談室 「名句の学び方」岸本葉子(著)
岸本尚毅(著)
NHK出版1320円
能村登四郎の百句能村研三(著)ふらんす堂1650円
金子兜太 俳句を生きた表現者井口時男(著)



藤原書店2420円
雪月花のことば辞典宇田川眞人(編)角川ソフィア文庫1760円
物語を歩く佐藤義隆(著)あさ出版1870円
思ひ出は遠くになりて思ふもの*昭和佐々木富久子(著)ふらんす堂1650円


【句集】

書名著者/自選句出版社価格
雛の夜山下 美夜子



ふらんす堂3080円
【自選10句】雑木の芽仏を囲む仏たち
虫送る休耕田も隠し田も
エーゲ海へ金星沈みゆく夜長
香水のほのかに聖書朗読会
ひよんの笛机上に風の吹く日かな
入口の多き教会小鳥来る
千年の冬の桜は一本気
父を呼ぶこゑ冬麗の山こだま
母の日の切手の中の子猫かな
花に問ふ度会さち子(著)ふらんす堂3080円
相聞の丘冬蝶の吹かれくる
風花や阿修羅に小さき臍のあり
村々の除夜の鐘くる大河かな
輪中どこまで青田風どこからも
はればれと鷹渡る日の伊吹山
帯畳む冬の一日をたたみ込む
花に問ふ法師の恋や風鳴りぬ
ずぶ濡れて女が走る芙美子の忌
山と海おしあひ熊野夏来る
木曽三川図また春の雁が啼き
渡辺鮎太ふらんす堂2970円
【自選10句】金銀はかく使ふべし春の海
ものの芽に持ち上げられし雲母かな
蟇で御座る雨の夕べが好きで御座る
溝浚へかうして老ゆるものなのか
川床料理女将の顔の長きこと
桃配山のふもとの白日傘
空蝉に水を注いでゐる子かな *蝉=正字
ほつぺたの西瓜の種を取つてやる
花背なるあなももいろの時雨かな
冷えびえとまこと大黒柱かな
桜刻に梅岡貴美子ふらんす堂2970円
【自選10句】桜満ち夜空の青きかと思ふ
如月や帯きつく締め海を見に
霙といふ名をつけられて夏料理
山の端をふはりと離れ十三夜
甕覗てふ酒ありて良夜かな
母さんに豆多くして豆ごはん
友禅の下絵の青の蛍草
梅日和城の鬼門に子規の句碑
春障子閉めてとほのく子らの声
羽繕ふ白鳥の首冬隣
幾何学模様水岩瞳ふらんす堂2420円
【自選15句より】只ならぬ世に男の子裸の子
少年にアメリカの匂ひ夜のプール
京に飽く京のお人と無月かな
エプロンの幾何学模様レモン切る
永き日のタカアシガニの一歩かな
ベルリンの壁消ゆどつと西日濃し
クロがゐた伊勢湾台風父がゐた
鶏頭と並んで立つて意見言ふ
ただ灼けて有刺鉄線続きをり
広島やぴたりと止みぬ蝉時雨
太箸増井智子ふらんす堂2970円
【自選句より】癒えし夫太箸しかと使ひけり
乳牛の逃げ出してゐる青田道
荒鋤の田やしみわたる春の雨
蜂が蜂くはへ飛びたつ原爆忌
自然薯に長き添へ木や年の市
うららかや裸婦の土偶の富士額
針ほどのさやいんげんに花のあと
年賀客子犬を抱きて来たりけり
倒れしも山百合の香のいちづなり
みせばやのすきとほるまで枯すすむ
葛の空
後藤信幸全句集
後藤信幸 (著)
後藤リラ子 (編集)
邑書林3300円
透明な詩想の結晶
リルケが「ハイカイ」と題するフランス語三行詩を書いたこと
ジャコテが《旅人と我名よばれん初しぐれ》などをフランス語訳したこと
ジャコテを日本に紹介したフランス文学者・後藤信幸が俳句を詠んだこと
この連関の内外に郷里豊後竹田の澄んだ空と、人を拒絕する石の城壁はある
《俳句はイマージュのないポエジー》
ジャコテを俳句に引き付けた本質的要因を、著者はこう語る
市井の俳人としての顔を貫き、団地俳句会を愛した男の精神の風景
741句
泥天使
照井翠(著)コールサック社1980円
【収録句より】三・一一死者に添ひ伏す泥天使
抱いて寝る雪舞ふ遺体安置所で
別々に流されて逢ふ天の川
人吞みて光の春となりにけり
三月を喪ひつづく砂時計
文庫新装版 龍宮照井翠(著)コールサック社1100円
【収録句より】喪へばうしなふほどに降る雪よ
双子なら同じ死顔桃の花
春の星こんなに人が死んだのか
三・一一神はゐないかとても小さい
寒昴たれも誰かのただひとり

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