【秋の季語】秋立つ

【秋の季語=初秋(8月)】秋立つ

立秋」のこと。新暦の8月7日、8日ごろにあたる。

そよりともせいで秋たつことかいの 上島鬼貫

という句があるように、実際にはまだまだ暑い日(=「残暑」)がつづく。

上五で「秋立つや」、下五で「秋立てり」などとして用いられることが多め。


【秋立つ(上五)】
秋立つや花水橋のふみごゝろ 幸田露伴
秋立つや一巻の書の読み残し 夏目漱石
秋立つと仏こひしき深大寺 石橋秀野
秋立つや皆在ることに泪して 永田耕衣
秋立つとちひさき鳥のながさるる 中田剛
秋立つや雲は女波のかたちして 田島和生
秋立てり山畑の葱一畝も 小澤實

【秋立つ(中七)】
食客の病みて秋立つ二階かな 尾崎紅葉
すゞかけに秋立つ皇子の輦かな 飯田蛇笏
江の島や秋立つ松葉ちくちくす 辻桃子

【秋立つ(下五)】
人声のうしろより来て秋立つか 加藤楸邨


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