
【夏の季語=三夏(5月〜7月)】麻
日本では古来、夏の衣服の代表として、麻の着物が親しまれてきたため、季語としての「麻」は大麻草という植物のことを指すと同時に、衣服や服飾品の素材のことも意味する。現在でも「麻服」や「ハンカチ」など、リネンやヘンプの素材は安価で重宝されている。
麻(大麻草)は、3−4メートルほどに成長した麻は、「梅雨明」の時期から盆ごろまでに収穫される。刈り取られた麻は、茎と葉を切り離し、茎の部分を乾燥させて繊維を取り出し麻糸となる。皮を剥いだ後の茎は「苧殻」といい、盆の「迎え火」、「送り火」に使われる。麻は害虫に強く、農薬が不要。CO2の吸収量が多く、休閑地や砂漠でも輪作ができる植物として注目をあびている。一方、「麻の葉」は服用すると感覚異常を催すことがあり、栽培には認可が必要である。
亜麻(あま)の茎はリネン、大麻の茎はヘンプ、黄麻(こうま)の葉はジュート、サイザルアサの葉はサイザル麻、ケナフの茎はケナフと呼びわけられる。
【麻(上五)】
麻刈りて鳥海山に雲もなし 正岡子規
麻の中雨すいすいと見ゆるかな 高浜虚子
麻茂り伏屋の軒を見せじとす 富安風生
【麻(中七)】
馬の丈より高き麻刈られゆく 田川飛旅子
【麻(下五)】
いつせいに亀投身す麻嵐 鳥居美智子
【その他の季語と】