ハイクノミカタ篠崎央子

  1. 泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治【季語=月(秋)】

     泥棒の恋や月より吊る洋燈ラムプ 大屋達治(『繍鸞』) 小学生の頃、ポプラ社の「怪盗ルパンシリーズ」(南洋一郎訳)を夢中になって読んだ。独特の翻訳だったと言われているが、南洋一郎の筆力は少年少女を魅…

  2. 耳飾るをとこのしなや西鶴忌 山上樹実雄【季語=西鶴忌(秋)】

    耳飾るをとこのしなや西鶴忌山上樹実雄(『四時抄』) 思春期…

  3. 昼の虫手紙はみんな恋に似て 細川加賀【季語=昼の虫(秋)】

    昼の虫手紙はみんな恋に似て細川加賀(『細川加賀全句集』) …

  4. 朝貌や惚れた女も二三日 夏目漱石【季語=朝貌(秋)】

    朝貌や惚れた女も二三日夏目漱石 (『漱石俳句集』) 近所の…

  5. 秋茄子の漬け色不倫めけるかな 岸田稚魚【季語=秋茄子(秋)】

    秋茄子の漬け色不倫めけるかな岸田稚魚(『筍流し』) 秋茄子…

  6. 中年や遠くみのれる夜の桃 西東三鬼【季語=桃(秋)】

  7. 太る妻よ派手な夏着は捨てちまへ ねじめ正也【季語=夏着(夏)】

  8. 冷房とまる高階純愛の男女残し 金子兜太【季語=冷房(夏)】

  9. 白衣とて胸に少しの香水を 坊城中子【季語=香水(夏)】

  10. きつかけはハンカチ借りしだけのこと 須佐薫子【季語=ハンカチ(夏)】

  11. わが恋人涼しチョークの粉がこぼれ 友岡子郷【季語=涼し(夏)】

  12. 姦通よ夏木のそよぐ夕まぐれ 宇多喜代子【季語=夏木(夏)】

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