ハイクノミカタ篠崎央子

  1. 海市あり別れて匂ふ男あり 秦夕美【季語=海市(春)】

    海市あり別れて匂ふ男あり秦夕美(『逃世鬼』)海市とは蜃気楼のことで、海面や地表近くの空気の温度差によって、光の屈折が起こり、遠くの船や景色が浮かびあがって見える現象である。普段は見えないものが見える…

  2. エリックのばかばかばかと桜降る 太田うさぎ【季語=桜(春)】

    エリックのばかばかばかと桜降る太田うさぎ(『俳コレ』)昔の…

  3. 卒業す片恋少女鮮烈に 加藤楸邨【季語=卒業(春)】

    卒業す片恋少女鮮烈に加藤楸邨(『吹越』)春の別れ、それは卒…

  4. 誰をおもひかくもやさしき雛の眉 加藤三七子【季語=雛(春)】

    誰をおもひかくもやさしき雛の眉加藤三七子(『無言詣』)3月…

  5. 海苔あぶる手もとも袖も美しき 瀧井孝作【季語=海苔(春)】

    海苔あぶる手もとも袖も美しき瀧井孝作(『海ほほづき』)海苔…

  6. 鳥の恋いま白髪となる途中 鳥居真里子【季語=鳥の恋(春)】

  7. 魚は氷に上るや恋の扉開く 青柳飛【季語=魚氷に上る(春)】

  8. 寒いねと彼は煙草に火を点ける 正木ゆう子【季語=寒い(冬)】

  9. 純愛や十字十字の冬木立 対馬康子【季語=冬木立(冬)】

  10. 冬河原のつぴきならぬ恋ならめ 行方克巳【季語=冬河原(冬)】

  11. 忽然と昭和をはりぬ夕霧忌 森竹須美子【季語=夕霧忌(冬)】

  12. 恋にしてわざと敗けたるかるた哉 羅蘇山人【季語=かるた(新年)】

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