神保町に銀漢亭があったころ

神保町に銀漢亭があったころ【第85回】土肥あき子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

放課後の楽しみ

土肥あき子(「絵空」同人)

学生時代には学校がなければどれほど自由時間を謳歌できるのだろうと夢想していた。

勤め人になってからは会社がなければ楽になると思い、俳句という自分の道を見つけてからもいつも逃げ場を探していたように思う。結局常に勉強し仕事を続けなければならないのだ。

銀漢亭は見通しの良い公園のような場所だったと思いついたとき、ああ、放課後だったのだと気づく。飲んで、笑って、解散する。たまに飲み足りなくて、はしごした頑健な夜を思い返す。

存在するだけで安らぎだった場所。

伊那男さんと、そして銀漢亭で集った面々とこれからもどこかでお会いする機会はあるだろう。そして再会するたびに放課後一緒に遊んだ友達のような懐かしさを覚えるに違いない。

折々企画される句会や吟行会もとても素敵だった。わが家にある春寒の短冊は鎌倉吟行の伊那男選で頂戴したもの。季節が巡れば、また銀漢亭を思い出す。

(2019年撮影=写真左が土肥あき子さん、右は「水の匣」主宰の水内慶太さん)

【執筆者プロフィール】
土肥あき子(どい・あきこ)
1963年静岡生まれ。「絵空」同人。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2021年10月分】
  2. 「パリ子育て俳句さんぽ」【7月9日配信分】
  3. 「野崎海芋のたべる歳時記」パン・ペルデュ
  4. 引退馬支援と『ウマ娘』と、私が馬を詠む理由
  5. 【連載】もしあの俳人が歌人だったら Session#4
  6. 「パリ子育て俳句さんぽ」【8月27日配信分】
  7. 神保町に銀漢亭があったころ【第127回】鳥居真里子
  8. 神保町に銀漢亭があったころ【第27回】安里琉太

あなたへのおすすめ記事

連載記事一覧

PAGE TOP