夏の季語

【夏の季語】虹

【夏の季語=三夏(5〜7月)】虹

雨が降ったあとなどに現れるアーチ状の七色の帯のこと。

夏の季語とされているのは「夕立」の後にあらわれることが多いためである。

とはいえ、「春の虹」、「秋の虹」、「冬の虹」それぞれにも味わいがある。

七十二侯の「虹始見(にじはじめてあらわる)」は清明の末侯、4月中旬に設定されており、「初虹」は、晩春の季語とされている。


【虹(上五)】
虹消えてすでに無けれどある如く 森田愛子
虹二重神も恋愛したまへり 津田清子
虹の後さづけられたる旅へ発つ 中村草田男
めぐりあひやその虹七色七代まで 中村草田男
虹透きて見ゆわが生の涯までも 野見山朱鳥
虹の足とは不確かに美しき 後藤比奈夫
虹仰ぐ顎が昔のままですね 池田澄子
虹消えて虹立ちし日の恋終る 坊城俊樹
虹消えて小鳥の屍ながれゆく 高柳克弘

【虹(中七)】
その朝も虹とハモンド・オルガンで 正岡豊
薄つぺらい虹だ子供をさらふには 土井探花
頭痛とは虹を忘れてゆくことさ 土井探花
誰もゐぬ港に虹の立ちにけり  涼野海音
婚約とは二人で虹を見る約束 山口優夢

【虹(下五)】
をさなごのひとさしゆびにかかる虹 日野草城
上社より下社の方へ諏訪の虹    屋内松山



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